全世界株を買ってもアメリカ株を買っても変わらないからもっと他のこと考えて生きた方がいい
こんにちは、悪口と資産運用が大好きな悪口投資家です。
インデクサー界隈を見ていると時折「S&P500がいいのか全世界株がいいのか」というような不毛な論争をしている。 なんならプロも一生懸命インデクサーに媚びたが全く話題になっていないコンテンツで同種の比較をしている。 という訳で、この記事でも同種の比較をして、統計的にはあまり意味のない比較であることを説明しようと思う。
使用データ
www.msci.com ↑からダウンロードできるMSCI様*1が算出しているインデックスを使う。 使用指数は、
である。通貨は全てドル建てで、配当込み指数*4を用いる。
比較
↑のグラフを見れば分かる通り、USAのリターンが他2つより良い。
USA | KOKUSAI | ACWI ex JP | |
---|---|---|---|
年率リターン | 11.3% | 10.1% | 10.0% |
年率リスク | 14.7% | 15.0% | 15.2% |
統計値を見てみると、↑のように、リスクはUSAが低く、USAの完勝であることがわかる。
では、リターンの差は統計的に有意なのだろうか。 細かい計算*5は省くが、リターンの差は1%程度であるのに対し、リスクが15%程度、年数(サンプル数)が24年程度なので、全然有意ではない。 データだけから判断するのであればどれを買ってもほぼ変わらないと言える。
長期の比較
ACWI ex JPは新興国を含んでいる関係で、データの期間が短い。そこで、USAとKOKUSAIの2者で長期の比較をしてみる。
長期で比較すると、両者にはほとんど差がないことがわかる。 フィニッシュはUSAの方が上にいるが、両者は抜いたり抜かれたりを繰り返しており、グラフから優劣を判断するのは難しい。
USA | KOKUSAI | |
---|---|---|
年率リターン | 10.6% | 10.2% |
年率リスク | 15.3% | 15.2% |
統計値を見てみても、↑のようにほとんど誤差程度の差しかない。 やはり、データだけから判断するのであればどちらも同じである。
なぜ差がないか
差がない理由は大きく2つあって、
- USA以外の指数も米国株の割合が高い*6
- 各国の株価同士は順相関
だからである。 要するに、どれも似た者同士なので必然的に結果もほぼ同じになる。
今後はどうなるか
ここまでの議論はあくまで過去のデータだけからの議論であり、「アメリカにはGAFAMが〜」とか「ヨーロッパは経済より人権と環境を優先するから〜」など、将来についてはいくらでも天下国家的な議論の余地があるだろう。 ただ、将来性のない人が将来予想をして勝てると思うやめた方がいい*7。
全世界株を買ってもアメリカ株を買っても大して変わらないので、もっと他のことを考えて有意義に生きた方がいい。 S&P500がいいのか全世界株がいいのかを議論して三菱商事*8に入った人は(たぶん)いないのだから……