8資産均等バランスは株の水割り

こんにちは、悪口と資産運用が大好きな悪口投資家です。

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8資産均等バランスというめちゃめちゃ分散されてそうなファンドがある。 日本株式・先進国株式・新興国株式・日本債券・先進国債券・新興国債券・日本REIT・先進国REITのインデックスファンドに12.5%ずつ投資するというバランスファンドである。 わかりやすさと分散してる感からまあまあ人気があり、他社からも同種のファンドが出ている。

使用データ

www.smtam.jp

今回は↑の投資信託のデータを用いる*1。 尚、8資産バランスについては実際の投資信託のデータではなく、8資産のインデックスファンドから合成したものを用いる*2

期間は、2008年末~2021年3月末である。相関係数等の計算には月次リターンを用いる*3

相関係数を見てみるとほぼ株

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8資産均等バランスと8資産の相関係数

↑の図を見ればわかる通り、8資産バランスと株式の相関は0.8以上あり、非常に高い。 ほぼ株と言っても過言ではない。

また、そもそも日本債券以外の資産はかなり相関が高いこともわかる。 先進国債*4や日本REITは他より多少ましであるが、それでもかなり相関している。

リターンとリスクを見てみる

8資産バランス 日本株 先進国株式 新興国株式 日本債券 先進国債 新興国債券 日本REIT 先進国REIT
年率リターン 8.9% 8.9% 13.9% 10.7% 1.2% 3.7% 3.7% 11.1% 12.0%
年率リスク 11.8% 17.1% 18.5% 21.3% 1.8% 8.5% 13.0% 17.6% 20.4%

↑の表は、8資産均等バランスと8資産のリターンとリスクである。 8資産均等バランスは株よりもリスクが低く、ミドルリスク・ミドルリターンであることがわかる。 リスクが株よりも低いのは、分散効果が働いたためというより、債券が入っている分、株やREITの割合が低くなっているためである。

まとめ

8資産均等バランスはミドルリスク・ミドルリターンであるが、株式との相関が非常に高く、株の水割りとでも言うべきファンドである。 もし仮に購入するのであれば、以上を理解した上で保有すべきである。

*1:SMTのファンドを用いるのは、比較的初期から新興国債券のインデックスファンドを設定しているためである。

*2:この方がデータが長くなる。

*3:日次リターンを用いると、時差の影響などで相関を正しく見積もるのが難しくなる。

*4:この期間の債券は株と逆相関なはずと思った人もいるかもしれない。 ここでの先進国債券は為替ヘッジなし・円建てなので、為替の影響で株式等との相関がプラスになっている。 日本円の場合、好況時に円安、不況時に円高になりやすい傾向があるため、為替は株式との相関が正になる方に影響しやすい。