株と債券を半々で持ってもリスク分散にならない2
こんにちは、悪口と資産運用が大好きな悪口投資家です。
以前に、株と債券を半々で持ってもリスク分散にならないという話を計算付きで説明した。
このときの説明では、計算をサボるために株と債券の相関を0とおいた*1。
しかし、↑の記事で説明したように、株と債券の相関は一定ではない。 特に2000年前後でプラスからマイナスへと符号まで変化しており、もう少し真面目に計算した方が良さそうである。 そこで、この記事では、リスク寄与度という概念を導入した後、株と債券の具体例を確認する。
リスク寄与度の定義
とすると、 資産のリスク寄与度(RCはRisk Contributionの略)は、
と定義される。 直感的な意味としては、資産のリスク寄与度とはポートフォリオの分散に資産が寄与する割合のことである。 実際、
であるから、 となることがわかる。
株と債券の2資産の場合
とすると、 であるから、
- 株のリスク寄与度
- 債券のリスク寄与度
となる。 株のリスクは債券の3倍程度なので、 として整理すると、
- 株のリスク寄与度
- 債券のリスク寄与度
となる。
を変化させたときの株のリスク寄与度は↑のようになる。 が小さいときは、株のリスク寄与度が1を超えている(債券のリスク寄与度は負になっている*2)が、定義に従うとこうなる。
以前の記事では、として、株と債券を半々で持つと株のリスク寄与度が90%になると述べたが、 ここ20年程の傾向である株と債券の逆相関を仮定すると株のリスク寄与度は90%を超えるので、注意が必要である。