債券とも株とも相関が低めの資産
こんにちは、悪口と資産運用が大好きな悪口投資家*1です。
前回の記事で、基本的には資産は債券っぽいものと株っぽいものに分けられるという話をした。 今回は、その続きというか補足という感じで、その他の資産(コモディティ・為替*2・ビットコイン)について説明する。
データについて
今回は、アメリカのヤフーファイナンスからダウンロードしたデータを用いる。 債券・株・コモディティについてはETFのデータを用いる。 コモディティについては、コモディティ全体のETF(DBC)の他に、
- エネルギー(DBE)
- 卑金属(DBB)
- 農産物(DBA)
- 貴金属(DBP)
のセクター別のETFも見ていく。
コモディティと為替
相関係数行列は↑のようになる。 期間は2007年2月~2021年3月で、月次リターンを用いて計算した。
ざっくり言うと、コモディティ全体やエネルギー・卑金属は株っぽい資産であるが、農産物や貴金属は株とも債券ともあまり相関が高くない。 エネルギーや卑金属の価格は、景気動向を受けて変動しやすいため、株っぽい動きをしやすい。 また、コモディティ全体におけるエネルギーや卑金属の割合が高いため、コモディティ全体も株っぽくなっている。
ドル円については、米国の金利に連動して動きやすいので、債券との相関が負に出ている。 また、イメージほどは株との相関は高くない。
ビットコイン
先ほどまでの資産にビットコインを加えた相関係数行列は↑のようになる。 期間は2014年10月からと先ほどよりやや短くなっている。
ビットコイン(仮想通貨全般)は他の資産とあまり相関が高くない。 「ビットコインはデジタルゴールド」などと言われることもよくあるが、貴金属との相関は低く、ゴールドとは言い難い。
相関が低いから投資すべきか?
一部のコモディティや通貨ペア、仮想通貨は債券や株との相関が低い。 しかし、債券や株とは異なり、収益の源泉があるわけではなく、理屈の上ではインフレ率程度のリターンしか期待できない。 なので、相関が低いからといって投資すべきかどうかは微妙である。