株が弱気相場のときにゴールドは強め
こんにちは、悪口と資産運用が大好きな悪口投資家です。
↑の記事で、株と相関が低い資産として貴金属を挙げた。 今回は、貴金属の代表であるゴールドの株の弱気相場でのパフォーマンスを見ていく。
弱気相場とは
https://www.mizuho-sc.com/ap/market/report/market/gmtopics/resources1/mf_stock_20200421.pdf
ここでの弱気相場は、↑の資料に倣って「S&P500が直近高値から20%下落してから高値を更新するまで*1」とする。
データ
finance.yahoo.com fred.stlouisfed.org
S&P500とゴールド*2の価格は↑から取得した。 いずれもドル建てである。 期間は1970年以降である。
先程の資料によれば、1970年以降の弱気相場は6回ある。 今回は6回全ての株とゴールドのパフォーマンスを見ていく。
1回目(1973/1/11 - 1980/7/17)
ニクソンショックの少し後ということもあり、ゴールドが圧倒的に値上がりしている。 圧倒的すぎて意味が分からないので、対数スケールにしたのが↓である。 ↑を見ると、株が下落しているときにゴールドが上昇していることがわかる。 ただし、月次リターンで相関係数を計算してみると0.03と無相関である。
2回目(1980/11/28 - 1982/11/3)
2回目は、ゴールドが株よりも大きく下落している。 株とゴールドの相関は0.61と高相関である。
3回目(1987/8/25 - 1989/7/26)
1987年に株が垂直に下落しているが、これがかの有名なブラックマンデーである。 一方、ゴールドはブラックマンデー後、しばらくは堅調であるが、株が持ち直すに連れて下落している。 この期間の相関係数は-0.53である。
4回目(2000/3/24 - 2007/5/30)
株はITバブル後3年近く調整しているが、ゴールドは2002年頃からほぼ一本調子で上昇している*3。 相関係数は0.00と無相関である。
5回目(2007/10/9 - 2013/3/28)
株はリーマンショック前後で大きく下落しているが、ゴールドは横ばいで耐え、株よりも早く上昇基調に転換している。 この期間も、相関係数は0.07と小さい。
6回目(2020/2/19 - 2020/8/18)
記憶に新しいコロナショックである。 株のボトム近辺でゴールドも下落しているが、下落幅は小さい。 この期間の相関係数は0.59と高相関である。
まとめ
ニクソンショック後の弱気相場は6回だけなので統計もクソもないケーススタディではあるが、2回目以外は株のヘッジや安全資産としてある程度機能したのではないだろうか *4。 5/6をどこまで信じてよいものかは難しいが、ある種の保険として資産の一部をゴールドに投資するのも悪くないであろう。