資産運用の本は『アセットアロケーションの最適化』だけ読めばいい

こんにちは、悪口と資産運用が大好きな悪口投資家です。

資産運用についての良い本はないかと友人から聞かれることがある。

個人的にお勧めできる本は、↑の1冊だけである。この本を理解すると、何にどれだけ投資すればいいかを合理的に決められるようになる。

なぜこの本を読むべきか?

あるアセット(たとえば米国株)に低コストで分散投資をしたい場合には、インデックス投資(米国株の例で言えばS&P500)という「正解」が存在する。

一方、アセットアロケーション(たとえば株と債券への配分)においては、正解らしい正解が存在しない*1。 資産運用を行う上で、アセットアロケーションは避けては通れない *2 ので、アセットアロケーションについて理解しておく必要がある。

アセットアロケーションの最適化』は、その名の通り、自分にとって最適なアセットアロケーションを決める方法についての本であり、資産運用をするのであれば絶対に読んだ方がいい。

この本を読むと何がわかるか?

この本を読むと、何にどれだけ投資すればいいかを合理的に決められるようになる。 具体的には、どのアセットにどれだけのリスクを配分するか*3を決め、具体的な投資ウェイト*4に落とし込めるようになる。

私の知る限り、トップダウン的なリスク配分からアセットロケーションを解説している一般書は『アセットアロケーションの最適化』だけであり、これがこの本を推薦する理由である。

目次と読んだ方がいい度(主観)

類書がないのでこの本を推薦するが、紙で700ページと長く、読破するのは大変である。 また、訳書のため本文中の例が海外のケース(特にイギリス)で読みづらい部分も多々ある。 そこで、目次*5を、読んだ方がいい度(主観)とともに紹介する。

読んだ方がいい度は、

  • ★★★=絶対読んだ方がいい
  • ★★=できれば読んだ方がいい
  • ★=気になったときに読めばいい

の3段階で示した。

第1部 スマートポートフォリオの理論

  • 第1章 ベストなポートフォリオとはどんなポートフォリオなのか(★★★)
  • 第2章 不確実性と投資(★★★)
  • 第3章 最良のポートフォリオを見つける(★★★)
  • 第4章 最良のポートフォリオを見つけるためのシンプルで、スマートで、安全な方法(コストは無視)(★★★)
  • 第5章 コストのスマートな考え方(★)
  • 第6章 分散の不確実な便益と確実なコスト(★★)

第2部 スマートポートフォリオの構築

第3部 リターンの予測

  • 第14章 リターンの予測とアセットの選択(★★)
  • 第15章 アクティブファンドマネジャーは本当に天才なのか?(★)
  • 第16章 リバランス理論(★)
  • 第17章 ポートフォリオのメンテナンス(★)
  • 第18章 ポートフォリオの修復(★)

*1:ある種のファイナンス理論では、全てのアセットを時価総額ウェイトで持てばよいことになっているが、これを実践している人はほぼいないと思う。

*2:「ゼロ金利だから債券は無視して株にだけ投資すればいい!」とか「世界経済はまもなく崩壊するから株は持たなくていい!」とか極端な考えを持っているのでなければ。

*3:本文中の言葉で言うと、リスクウエート。

*4:本文中の言葉で言うと、資産ウエート。

*5:詳しい目次はこちらを参照のこと。