『アセットロケーションの最適化』を楽天証券iDeCoで実践する
こんにちは、悪口と資産運用が大好きな悪口投資家です。
友人からiDeCoの相談を受けたので、前回紹介した『アセットロケーションの最適化』の考え方に基づいたポートフォリオを提案した。 せっかくなので、どういう手順でポートフォリオを作成したか紹介したいと思う。 尚、以下の前提があるので予めご了承いただきたい。
0. 商品ラインナップとアセットクラス
楽天証券iDeCoの商品ラインナップは↑の通りである。 これをアセットクラス別に分類すると、↓のようになる*1。
- ①株っぽいやつ
国内株式、国内REIT、外国株式、海外REIT、国内外株式、たわらノーロード先進国債券、インデックスファンド海外新興国(エマージング)債券(1年決算型)、みずほUSハイイールドファンド<DC年金> - ②債券っぽいやつ
国内債券、たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり) - ③株とも債券とも相関が低いやつ
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり) - ①と②が混ざってるやつ
バランス型、ターゲットイヤー型
1. リスクウエートを決める
楽天証券iDeCoの商品ラインナップには、①株っぽいやつ、②債券っぽいやつ、③株とも債券とも相関が低いやつ の3つのアセットクラスがある。
まず、③株とも債券とも相関が低いやつのリスクウエートは0とする。 理由としては、↓の記事の最後に触れたようにコモディティには株や債券のような収益の源泉が存在せず、長期的にリターンが期待しにくいためである*2。
①株っぽいやつと②債券っぽいやつのリスクウエートは1:1とする*3。 これは、①と②のリスクあたりのリターンを予測せず、同等であると仮定するためである。 なんらかの見通しや予測*4がある人は、傾斜をつけたウエートにすればよい。
2. 資産ウエートを計算する
次に、先ほど決めたリスクウエートを資産ウエートに変換する。 資産ウエートへの変換には、リスク(標準偏差)と相関係数が必要であるが、2資産で均等ウエートの場合はリスクのみでよい。
本来は、真面目にリスクを計算すべきであるが、面倒なので↓の記事で計算した値をそのまま使って、①株っぽいやつのリスクは②債券っぽいやつの3倍ということにしておく。
①のリスクは②の3倍なので、②を①の3倍持つとリスクウエートが釣り合う。 よって、①株っぽいやつと②債券っぽいやつの資産ウエートは1:3となる。 すなわち、①を25%、②を75%のポートフォリオを目指すことになる。
3. どのファンドにどれだけ投資するか決める
資産ウエートが決まったので、あとは資産内でどのファンドにどれだけ配分するかを決めるだけである。 今回は、以下の方針で配分を決めた。
(a)(b)の条件と商品ラインナップの管理費用を眺めると、債券ファンドよりも楽天・インデックス・バランス(DC年金)の管理費用が安いことがわかる。 楽天・インデックス・バランス(DC年金)は、株式15%、債券85%のファンドなので、このファンドを90%と①株っぽい資産を10%持てば①25%②75%がほぼ実現できる。
ということで、楽天・インデックス・バランス(DC年金)を90%持つことにして、①株っぽい資産10%の配分を決めることにする。 10%は何に投資してもあまり変わらないのだが、株同士よりも株とREITの方がやや相関が低く、よりリスク分散ができるという理由でREITに配分する。 REITファンドは国内外合わせて3種類あるが、国内と国外のインデックスファンドに5%ずつ配分することにした。
という訳で、具体的な投資ウェイトは↓のようになった。
iDeCoで↑を丸パクリするのはあまりおすすめしない
あまり自分で考えたくない人は↑を丸パクリしたいかもしれないが、それは推奨しない。 具体的には、以下の2つの仮定が満たされない場合には、推奨できない。
- iDeCoだけでポートフォリオを完結させる
→iDeCo以外でも投資をする場合は税効率を考える必要がある。せっかく運用益に課税されないiDeCoでローリターンの投資を行うのは勿体ない。 - ローリスク・ローリターンでよい
→リスクを負ってでもリターンを追求したい場合には、債券のウエートを減らすか、レバレッジを掛けるかしかない。iDeCoの場合は前者しか選択肢がない(はず)。
投資のソムリエについて
ちなみに、今回やったのと似たような考え方*6のファンドとして、投資のソムリエ<DC年金>というファンドがある。
このファンドに100%投資するという考えもあったが、管理費用が1.21%と高いため投資するのはやめた。 みずほの系列企業にお金落としたくないし……
*1:分類の仕方は↓の記事の考え方に基づいている。 waruguchinvest.hatenablog.com
*2:インフレ率程度のリターンは期待できるかもしれないが、ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)は管理費用が0.9%近くと高めなので、期待リターンはほぼ0になると思う。
*3:リスクウエートを均等にする投資戦略をリスクパリティと言う。
*4:「世界的な低金利でもう債券にリターンは期待できない」など。
*5:国内債券は日銀の金融政策の影響もあり、リターンもリスクもかなり0に近いので積極的には投資しないことにした。
*6:このファンドは、資産価格の変動要因の影響が均等になるように資産の配分を決めている(らしい)。