S&P500は月末から月初にかけての6日と中旬の3日だけ持っておけばいいらしい
こんにちは、悪口と資産運用が大好きな悪口投資家です。
↑の記事によると、S&P500は月末から月初にかけてアウトパフォームしやすいらしい。 という訳で、本当なのか検証してみた。
データ
いつもの通り、ヤフーファイナンスからデータを取得した。 本来であれば配当込みのS&P500を用いるべきであるが、配当なしの方が長期のデータを取れた*1ので無視した。 期間は、1928年から2021年3月末までである。
月初1-3営業日は最強
↑のグラフは月初から数えて1-3営業日・4-6営業日・7-9営業日・10-12営業日にだけS&P500を保有し、それ以外は何もしない場合の累積リターンである。
グラフを見ればわかる通り、月初1-3営業日にS&P500&を保有するだけで90年で約100倍に資産が増えている。 一方、他はパッとしない。 強いて言えば、紫(月初10-12営業日)はここ20年の調子がよいくらいである。
月末1-3営業日も強い
↑のグラフは先ほどとは逆に、月末から数えて1-3営業日・4-6営業日・7-9営業日・10-12営業日にだけS&P500を保有し、それ以外は何もしない場合の累積リターンである。
月初ほどではないが、こちらも青線(月末1-3営業日)が圧倒している。 先ほどと同じく、紫(月末10-12営業日)はここ20年の調子がよいが、毎月の営業日が約22日なので月初10-12営業日と月末10-12営業日はほぼ同じである。
S&P500ガチホとの比較
最強の月初1-3営業日とS&P500ガチホ(S&P500に投資し続ける)を比較したのが↑のグラフである。 残念ながら、最強の月初1-3営業日(赤線)も途中でガチホに追い抜かれている。
そこで、2番目に強い月末1-3営業日も保有することにしたのが緑である。 見事、ガチホを凌駕しているが、90年代半ばからはガチホに負けている(青と緑の差が縮まっている)。
という訳で、バックテストをコネコネデータサイエンスして3番目に強い月初10-12営業日も保有することにしたのが、紫である。
見事、ガチホに差を縮められぬまま逃げ切っている*2。
S&P500 | 月初1-3営業日 | +月末1-3営業日 | +月初10-12営業日 | |
---|---|---|---|---|
年率リターン | 6.2% | 5.3% | 7.4% | 8.3% |
年率リスク | 19.4% | 7.4% | 10.1% | 12.5% |
リターン÷リスク | 0.3 | 0.7 | 0.7 | 0.7 |
↑の表は統計値である。 当たり前の話だが、保有日数を短くするほどリスクは低下している。
なぜこんなことになるのか?
こちらの資料によると、月初には米国のDC掛金が機械的に流入し、株価が上昇しやすいらしい*3。 また、中旬や月末にも一定の傾向があるようである。
という訳で、米国のDC掛金に感謝しながら、月末から月初にかけての6日と中旬の3日だけインデクサーしてみるのもいいのかもしれない*4。
*1:60年くらい長い。
*2:差を広げ続けるようにバックテストをコネコネデータサイエンスした(と思われる)のが、「鯨」を追い掛けるクオンツ取引である。
*3:アメリカでDCが始まったのはいつから?とか言わない。 疑問を持つことを大切にしていると、医学部ではなく理学部に進学してしまう。
*4:税金面を考えると微妙だが。