ここ30年以上は米国株を買うより米国債にレバレッジを掛けた方が儲かった

こんにちは、悪口と資産運用が大好きな悪口投資家です。

インターネットで資産運用について調べると、大抵は世界株式や米国株式のインデックスファンドをお勧めされることになる*1。 資産の一部を債券に投資することを勧められることは極めて稀である。 色々考えた結果、債券に投資しないという選択をしているのであればよいのだが、

  • 株は時価総額加重で買うくせに債券の時価総額はガン無視
  • 個別株やアクティブファンドの優劣は予測しないくせに株は債券より優れていると決めつけている
  • そもそも債券投資が眼中にない

など「大丈夫か?」な情報が多い。

そこで、今回は米国株と米国債について比較していくことで、債券投資について少し紹介したいと思う。

使用データ

この後のパートでは、実際のデータを使って話をするので、先に少しだけ使用データの話をする。 tradingcharts.com 今回の記事では↑のサイトから購入した先物のデータを用いる。 先物取引については別の記事で説明したいと思うが、ここでは株式や債券のリターンから無リスク金利*2を差っ引いたものが先物と思ってもらえればよい。

米国株についてはS&P500先物米国債については米国10年債先物のデータを用いる。期間は1982年6月~2020年10月*3である。

単純比較

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S&P500先物と米10年債先物
↑のグラフを見ればわかる通り、S&P500様の圧勝である。 流石、米国株。 インデクサー様が正しかったです、ごめんなさい。

S&P500先物 米10年債先物
年率リターン 7.1% 4.7%
年率リスク 19.8% 6.7%

統計値を見てみると、よく言われているように、債券より株の方がハイリスク・ハイリターンであることがわかる。

債券に3倍のレバレッジを掛けてみる

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米10年債先物に3倍のレバレッジを掛けた場合
債券に3倍のレバレッジを掛けてみると、↑の通り、債券の圧勝になる。

S&P500先物 米10年債先物×3倍
年率リターン 7.1% 13.2%
年率リスク 19.8% 20.0%

レバレッジを掛けるとなんか危ない気がするが、↑の表からわかる通り、米10年債先物に3倍のレバレッジを掛けたものとS&P500先物のリスクはほぼ同じ値である。 一方、リターンは債券の方が2倍弱あるので、米国株を買うより米国債に3倍のレバレッジを掛けて買った方が同じリスクで圧倒的に儲かっていたことになる。

なぜ、こんな結果になるかというと、リスクあたりのリターン(シャープレシオ)は株より債券の方が優れていたためである。 債券はローリスク・ローリターンであったが、検証機関でのリスクあたりのリターンは株より高かったため、レバレッジを掛けてリスクを同程度にすることで株より高いリターンを上げることができた。

債券に3倍のレバレッジを掛けて投資するにはどうすればよいか

結論を言ってしまうと、一般的な個人投資家は米10年債先物レバレッジを掛けて投資することは難しい。 理由はいくつかあるが、

残念ながら、2021年現在、日本の個人投資家が米10年債先物レバレッジを掛けて投資することは難しいが、代替物が存在しない訳でもない。 具体的な代替物については次回以降に説明したいと思う。

*1:たとえば、 普通の人が資産運用で99点をとる方法とその考え方 - hayatoとか。

*2:日常生活で言うところの普通預金金利に相当。

*3:手元にある分全部というだけで、深い意図は全くない。

*4:米国上場の近しいETFは存在するが、日本の証券会社からは買えない。株の場合には、日経平均やS&P500など主要な株価指数に2倍以上のレバレッジが掛けられる投資信託ETFが多数存在する。